2021年06月22日

読後感 “疼く人”

 2021年 松井久子著 中央公論新社

 この本を知ったのは、新聞の話題の本紹介欄だった。
 著者のコメント欄に、上野千鶴子さんの勧めで初めて書いた小説とあった。ちょっと前に「徹子の部屋」で上野千鶴子さんが登場されていたのを見た。その時私は、彼女の著書「在宅ひとり死のススメ」を、読みたいと思い、図書館で借りようと目論んでいたところだった。
 なのに、それより先に、しかも、本は図書館で借りるもので、自分では買わないと決めていたのに、即、アマゾンで買った本である。
 届いてすぐ読み始めた。さすがに、家事もあるし、その日に読了することはしなかったが、2日目には読了した。
 感想としては、まず、読みやすかった。そして、見識高い老齢の女性が、ポルノまがいの小説をここまで書くのは、何の目的があるのだろう、ということだった。内容は、ノーマルなことではない。むしろアブノーマルなことばかり。
 著者の、映画監督、脚本家としてのクオリティーの高い過去の作品は、全て社会派ドラマだった。
 なので、そのギャップに驚いた。
 ストーリー性は殆んどない。
 単に高齢女性の性愛の打ち明け話を、白日の下に晒しただけのものだった。
 強いていうなら、女性の「老い」と「性の多様性」を紐どく、有識な女性がホンネで書いた、老女の性を目覚めさせるための本だったということ。
 男性が読んだら、引くのでは。
 私が共感したのは、夫婦に性愛は成立しないのは普遍的なものなので、婚外恋愛は有りかな、ということだった。
 でも、これは今の時代許されないこと。
 結婚後の性行為は生殖を促す義務的なもの。それ以外は望まないし、それでも十分みな幸せなのだ。
 それは当たり前のことで、特に女性は、何の不満も持たず、一生を終える。
 もし、アブノーマルを望むなら、独り身で、誰にも迷惑をかけない自信がある人に限られるのでは。
 そんなことを感じた、ショッキングな本でした。
posted by hidamari at 21:51| Comment(0) | 読後感・映画の感想 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする