2005年09月07日

通販雑誌で買った大きな人形


20050907bd557a8c.jpg※19 出会い
 3学期の初め、雪が散らつく寒い日だった。休み時間になっても外で遊ぶ生徒はいない。それなのに、外が騒がしいので窓越しに覗いてみると、慎ちゃんが相変わらずからかわれている。
 彼の足元を見て驚いた。
 靴下も上履きも履かず、裸足でコンクリートの廊下をペタペタ走り回っている。その足はあかぎれがしていた。痛々しくまともに見られない。
「靴下はともかく、上履きもないの?」と、かわいそうにと思うより腹立たしかった。
「おばあさんに言って買ってもらいなよ、おばあさんはお金はたくさんあるんだから、上履きがいるなんて、今の学校の事情を知らないだけなんだよ。それに、靴箱の隅には持ち主のない上履きが1足や2足あるでしょう、それ履いても誰も何も言わないよ、履きなよ」と、ほんとにじれったかった。

 上履きは学校指定の運動靴で、男女兼用だった。そんなことがあったので、私の古い上履きをあげようと思いつくが、なかなか渡すチャンスがない。教室の前で2〜3回待ち伏せするが、そんな時に限って彼はチラッとも外に出てこないのだ。そのうちにバカバカしくなった。そして、どうせ、彼は遠慮して受け取らないだろうと、なぜか確信するものがあり、止めてしまった。
 そして、なるだけ、彼のことは気にするまいと決めたのだった。※20へ

(写真は、通信販売雑誌で安い値段で買ったもの。目がちょっと恐いかも)
(上記小説は、カテゴリー小説[藪椿]で連載中)

posted by hidamari at 11:16| Comment(0) | TrackBack(0) | 小説 [藪椿] | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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