2005年11月28日

冨有柿


2005112884d30b35.jpg※60 旅立ち
 その後、1週間程経って、慎ちゃんからまた職場に手紙が届いた。
 昭夫さんにめでたく第3子が誕生したということ。上2人が男子なのに、また男子で家族が少しだけがっかりしていて、赤ん坊がかわいそうだということ等が書いてあった。
 そして、命名をみなで考えた結果、自分が出した理(さとし)という名前がなぜか採用されたということ。字画数が良かったらしいが、慎ちゃんは(ずっと真理ちゃんのことばかり考えていたから、理というのを考えたんだよ、ちゃっかりしているでしょう、僕の中では、毎日真理ちゃんに思いを寄せていたという記念になります)と、ひどく感激している様子だった。
 私は複雑な気持ちだった。見ず知らずの赤ん坊に私の名前付けられたって、というのもある。それより、何なの、記念になるなんて、私のことは思い出にするの、と心のどこかにひっかかったのである。慎ちゃんも、私と将来を共にすることはありえないと、既に分かっているのかもしれないと思った。願ってもないことだったが、許せないような気もした。そして自分は慎ちゃんと一緒の将来は考えられないのに、慎ちゃんが考えてないことを許せないと思う自分勝手さにひどく驚いたのである。※61へ

(写真は頂き物の冨有柿。甘くてジューシーであった。ビタミンCが豊富だということ)
(上記小説は、カテゴリー小説[藪椿]で連載中)

posted by hidamari at 08:28| Comment(0) | TrackBack(0) | 小説 [藪椿] | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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