2006年01月08日

吉野ヶ里歴史公園


吉野ヶ里歴史公園.jpg※80 旅立ち
 会社では12月は、3月に次いで忙しい時期である。
 日々の煩雑さに紛れて、心の痛みや寂しさを感じるのは、徐々に薄れつつあるような感じがしていた。
 さすがに、クリスマスが近づき、テレビやラジオからクリスマスソングが流れ出すと、昨年のイブに慎ちゃんと2人で行った教会のミサのことが思い出された。1年前のことなのに遠い過去の出来事のように思える。慎ちゃんは、きっと今年も1人でミサに行くのだろう。私にはもはや関係のないことだった。

 クリスマスイブは、幸いにも会社の独身会の忘年会が行われた。その夜、私は呪文が解き放たれたように弾けた。そして、率先して場を盛り上げた。支店長をはじめ部課長の形態模写をして、会場の大爆笑を誘った。
 住田さんが「本田さん、何か感じ変わったね」と目を丸くしていた。
 彼が私に好意を持ってくれていることは知っていたが、昼食をアルバイトの女性たちを交えてすることはよくあったが、心が通じ合うことはなかった。とてもプライドの高い彼は、それ以上アタックしてくることもなかったので、それ以上、進むことはなかったのだ。
 住田さんが、私が変わったと感じたのは、最近の私がやはり元気がなかったせいだろう。自分では、職場ではプライベートなことを引きずっていけないと思い、努めて明るく振舞っていたし、絶対悟られないよう気をつけていたことだったのに、気がつかれていたとすれば、彼に私の深層心理を見破られていたようで改めて恥かしかった。
 もともと私は明朗活発な性格で、家族の中でも、場を盛り上げるのを使命としていたほどだったので、この忘年会で、久しぶりに本領が発揮出来たのかもしれない。
 私には親に隠れてこそこそする恋愛などむかない、これからはノビノビと明るい生活をしよう、とお酒を飲みながらしみじみと思った。すると、目の前がパーッと開け、明るい兆しが見えたような気がした。81へ

(写真は、年末に行った吉野ヶ里。5年ほど前とは様子が大幅に変わっていた。大きな箱物が建ち、敷地も何倍にもなっていた。でもお客さんは少なく、経費の無駄使いのような気がするのだが)
(上記小説は、カテゴリー小説[藪椿]で連載中) 

posted by hidamari at 13:05| Comment(0) | TrackBack(0) | 小説 [藪椿] | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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