2006年02月20日

春の花時計


春の花時計.jpg※12
 1セット終ると、プレーをしていた4人はお互いにコートを挟んで握手を交わし、ベンチへ戻ってきた。
 晴美は席を立ちその4人に「こんにちは」と挨拶をした。 蒲田と慶子は落ち着いた雰囲気でにこやかに、やあいらっしゃい、とか、あらこんにちは、と返事をしてくれた。 矢部は、「へえー、君テニスやるの」と相変わらずニヤニヤしている。でも、決して意地悪というのではなく、面白がっているという風である。
 4人がそれぞれペットボトルの水を飲んで一服しているところを見計らった啓介は、「すみません、ちょっとコート借りていいですか?川口さんテニス初めてなんで、フォームとか、基本を指導したいので…」と言った。
 晴美は、内心、ヤバイ、と思った。晴美はテニスなど全く始める気持ちがなかったのだ。安易にノコノコこんな所に来てしまったことを今さらながら後悔した。
 啓介はあらかじめ用意していたのだろう、ラケットを取り出し「これ、君にあげるから」と晴美に渡した。
「えっ、じゃあちょっとお借りします」とラケットを受け取りながら、晴美は、今は取りあえずやるしかない、と思った。※13へ

(写真は、市民会館前広場の花時計)
(上記小説は、カテゴリー短編小説[茜雲]で連載中)

posted by hidamari at 20:16| Comment(0) | TrackBack(0) | 小説〔茜雲〕 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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