2006年02月24日

椿盆栽展受賞者の作品


椿盆栽展受賞メの作品.jpg※14
 連休明けの5月6日朝、晴美は病院のだらだら坂を難なく歩くことが出来た。1ヶ月間、この坂を登る時に味わった憂鬱な気持ちがスーッと消えていた。
 事務所に入ると、係長の中村は既に机に座っていた。
 おはようございます、と言い終わらないうちに、晴美は「ちょっと」と、中村に手招きされた。
「何でしょうか」と晴美は中村の机の横に立った。
 中村は頬杖をついた手で眉毛をなでながら
「今日、仕事の配分をするから、9時半になったら藤田さんと一緒に、会議室で引継ぎをやろう」とおもむろに言った。
 キッチンコーナーでお茶の準備をしていた藤田佳代は、中村の言葉を聞きつけ、「よかったわ、私の仕事、全部川口さんに譲るわ」と言いながら、中村と晴美の所へ近づいてきた。
「えっ、何で全部?」と思わず晴美は聞き返した。佳代は「後でね、さあ先にお茶、出してしまいましょうよ」と言うと、微笑みながら再びキッチンコーナーに戻った。
 啓介が中村係長にちゃんと話してくれたんだ、と晴美は思った。
 いやだった朝のお茶出しも、今日は苦にならない晴美だった。やっと覚えた職員の湯呑茶碗をテキパキと机に配ってまわった。※15へ

(写真は、市民会館で開催されていた椿盆栽展で、新聞社賞に輝いていた作品)
(上記小説は、カテゴリー短編小説[茜雲]で連載中)

posted by hidamari at 10:58| Comment(0) | TrackBack(0) | 小説〔茜雲〕 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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