2006年03月16日

玄関外の花


玄関外の花.jpg※24
 休憩室は10畳の畳の部屋で、中央に四角いテーブルが置いてある。
 そのテーブルの角を挟んで、看護師主任の稲田が看護師のサトミをしきりになだめている様子だった。サトミは泣いていたのか首をうなだれたまま、顔をあげようとしなかった。
「あっ、おじゃましてます。私たち終わりましてので…、どうぞ」と稲田は立ち上がり、サトミにも「行きましょう」と促した。
「あら、いいですよ」と秋津は、佳代と晴美にも「ねえー」と言った。
 稲田は「すみませんねえ」と言いながら外へ出て行った。サトミはうなだれたまま、稲田の後を追った。
 ドアが閉まったのを確かめた秋津は、テーブルに座るより早く、佳代と晴美を引き寄せた。
「平川さんも可哀想だけど、最初からこうなることは分かっていたことよねえ」
「何かあったんですか?平川さん泣いてたようですけど」
「知らなかった?平川さん、内科の新垣先生と付き合っていたこと、新垣先生がこの病院へ来てからすぐだから、2年にはなるわね」
「平川さん超美人だからあり得る話ね」
 サトミは、スラリとしたスタイル、透き通るような白い肌、目は湖のように大きかったが決してどんぐり眼ではない。おでこが広く、アップの髪に白い看護帽がよく似合っていた。タレントの神田うのを少し寂しげにしたような人だった。
 晴美は、彼女が22歳で自分とは2歳しか違わないのに、あまりに美しすぎてしゃべるのに気後れし、話すのをはばかれていたほどだった。
 身長180センチ位あるかっこいい新垣先生とはお似合いなのでは、と晴美は思った。※25へ

(写真は、料理教室先生宅玄関にあった花。名前は分からないがかわいかったので写しました)
(上記小説は、カテゴリー短編小説[茜雲]で連載中)

posted by hidamari at 12:25| Comment(0) | TrackBack(0) | 小説〔茜雲〕 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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