2006年03月24日

ネコヤナギ


猫柳.jpg※28
「川口さんも気をつけなさいよ」
「はい、分かりました」
 晴美は秋津の言う事に関して、さわらぬ神にたたりなし、と日頃から思っている。今回も殊勝なふりをして頷いた。
「釣り合わぬは不縁の元って言うでしょう、先生方はその気もないのに軽い気持ちで声を掛けてくるからね」
「分かっていますって」
 晴美はいい加減うっとうしかった。心の中では、―心配しなくても、先生方は面食いなんでしょ?私なんかに声をかけてくるはずないし―と、思っている。しかし、それを口に出すと―そんなことはない―とまた、そのことで話が繋がり、話が長くなるのが晴美には分かっていた。
 佳代は、うふふ、と笑ってばかりいる。
 青春真っ只中の晴美には、恋人はおろかボーイフレンドさえいない。むしろ、好きな男性に早く巡り会いたいと夢みている。秋津の忠告など、全く意に介していなかった。※29へ

(写真は、ご近所の家の前にあったネコヤナギ。昔は至る所、川端などで見かけたが、今ではめずらしい木)
(上記小説は、カテゴリー短編小説[茜雲]で連載中)

posted by hidamari at 13:54| Comment(0) | TrackBack(0) | 小説〔茜雲〕 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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