2006年04月09日

鳥居と桜


鳥居と桜.jpg※36
 啓介は、晴美を晴美の家の木戸先まで送った。
 別れ際に、
「君の携帯貸して」と言って晴美から携帯を受け取り、自分の携帯番号を登録した。そこから、自分の携帯に電話を入れ、晴美の番号を自分の携帯に登録した。
「これでよし。何か急用があって来られない時とかの連絡用だから」と言った。
 晴美は、手際よい啓介の作業を、息を飲んで見守っていた。
「…ハ、ハイ、分かりました」と、言って携帯を受け取った。何となく2人の間が狭まった気がして晴美は嬉しかった。

 自分の部屋に着き、改めて携帯を開けてみると、友人のグループに啓兄チャンで登録されている。晴美は、現実に戻されたようで複雑な思いがしたが、なるほどと思ったのである。
 ―東元さんの携帯には、私は妹で登録されているのだろうか―晴美は可笑しくなった。

 晴美は、テニスには全く興味がなかったが、水泳は、小学生の頃水泳教室へ通ったこともあり、得意の分野だった。
 この2〜3年海で泳いだことはないが、母親が健康のために1年を通して温水プールへ通っているのに、時々お供しているので、ちゃんと水着も2〜3枚は持っている。
 セパレーツで、水着といっても、街で着てもおかしくないような肌の露出度の少ないものを明日のために選んだ。黒地で、ローズ色のチェック模様の上着と黒のショートパンツは晴美のお気に入りだった。
 晴美は、試着し、鏡の前で1人で頷き、それを海浜用のバッグに入れ、明日の準備をした。
―明日は、何も考えずに思い切り楽しもうー と心に決めていた。
 その夜、晴美は胸がワクワクしてなかなか眠りに付けなかった。※37へ

(写真は、城跡公園内で撮ったもの)
(上記小説は、カテゴリー短編小説[茜雲]で連載中)

posted by hidamari at 13:07| Comment(0) | TrackBack(0) | 小説〔茜雲〕 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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