2006年05月13日

B牡丹


B牡丹.jpg※52
      ※
 晴美は、人事課長から、来年の4月には市役所に呼び戻してやる、と言われた時の状況を、時折反復してみる。半信半疑というのがホントの気持ちである。
 気に留めてもらったことは事実。しかし、期待して、叶わなかったらショックだ。
 だから、そんなことがあったことは、両親にも告げず、晴美は自分の心の中にそっとしまっている。
 ただ、それからというもの、頑張ろうという気持ちが自然と湧いてきて、晴美の気持ちは何となくウキウキしていた。

 もし夢が叶い、この病院とおさらばする時がくれば、啓介とは無縁になる。ホッとするようでも、寂しいようでもある。
 啓介とは、病院内で相変わらず毎日会っている。会えばニコニコと笑って挨拶を交わし、仕事上の事務連絡や取り止めのない話は、何の変わりもなく続いている。
 そんな一瞬一瞬に、ホンワカと温かい気持ちが全身を包むのは、どうしても禁じえない晴美だった。※53へ

(写真は、図書館玄関の牡丹。シャクヤクとの大きな違いは牡丹は木で、シャクヤクは草であることだそうだ)
(上記小説は、カテゴリー短編小説[茜雲]で連載中)

posted by hidamari at 16:03| Comment(0) | TrackBack(0) | 小説〔茜雲〕 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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