2006年07月03日

田植え


小学生の田植え.jpg4
 茂が遙と出会ったのは、この夏である。

 仕事には何も不満はなかったが、仕事を終えると何もない離島は退屈すぎる。
 そんな時、偶然ダンス教室の看板を目にしたのである。

大学時代から彼女がいることが当たり前だった茂は、六島に赴任すると決って、それまで付き合っていた彼女とはきっぱり別れた。女性と付き合う時は、必ず別れることを前提に考える。常に長居は無用と思っているのだ。一生を共にしたい、という女性に巡り合っていないせいかもしれない。
 今までに付き合った女性の中には、美人で、家柄、職業も文句のつけようがない女性もいた。その女性は結婚を望んだし、茂も彼女を愛していた。しかし、結婚しよう、とは思わないのだ。時々、自分は結婚にはむかないのかなあ、と思ったりしたが、決して、独身主義というのでもない。
 26歳の茂はそんな自分を、まだまだ俺は若い、自由でいたいだけのことだ、と認識していた。

 遙は大学を出てすぐ教師になり2年、小学校4年生の担任をしている。やんちゃ盛りの子供たちとの生活は緊張の連続なのだ。唯一その緊張から、身も心も開放されるのは夏休みくらいだろう。
 やっと夏休みになったある日、遙はアバンチュールを求めて六島に1軒あるダンス教室の扉を思い切ってたたいたのである。5へ

(写真は、プールの帰りに見かけた小学生の田植え風景)
posted by hidamari at 10:46| Comment(0) | TrackBack(0) | 小説〔喫茶店〕 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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