2006年07月25日

ゴルフ場


ゴルフ場.jpg12
 すぐにでもUターンしてその場を離れるのかと思ったのだが、遙はなかなか車を動かそうとしない。
「どうしたの?車Uターンさせて」
「…ええ、…あのォ、お願いがあるの。わたし、この中に入ってみたい。だから何もしないって約束してくれる?ううん、約束してほしいの」
「えっ!どういうこと?」
 いったい、この女は何を言い出すのだろう。しかもこんな所で車を止めたままで。他に客が来ないとも限らない。防犯カメラの映像がホテルの事務所では廻っているだろう。
「だから社会勉強よ、いいでしょ?」とあっけらかんと言う。
「ダメ、入るだけで料金はかかるんだ」と、茂は少しいらだっていた。
「料金なら私が出すから、ね、いいでしょ」となおも言う。
 茂は、もうどうでもいいや、と思った。
「じゃあ、窓を開けて電光表示板の空き室のc{タンを押して」と、助手席に座ったまま、遙にテキパキと指図した。
 茂にとっても、所在は知っていたが初めての所だ。手探り状態だが、場所が場所だけに、モタモタしているわけにはいかなかった。内心ドキドキしていたが、ラブホテルのシステムは概ねどこも同じような物だと思ったのだ。
 遙は言われるままに、いくつか空室の表示があった中で、bVのボタンを押した。コトンと音がしてキーが出てきた。13へ

(上記小説は、カテゴリー短編小説〔喫茶店〕で連載中)
(写真は、川越の国道下に広がっていたゴルフ場。グリーがあまりにも美しかったので撮ったもの)

posted by hidamari at 16:23| Comment(0) | TrackBack(0) | 小説〔喫茶店〕 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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