2006年08月18日

小説・喫茶店

24
 かわいい顔をして、相変わらず大きい声を出す女だ。
 茂はどうしてもこの大声に慣れることが出来ない。
「腹減ったね、何か食べようか」
 ホントは周りの目が気になっていた。直ぐにでもここを立ち去りたい気分だった。
 でも、場所を変えるのが、今日の茂はしんどかった。それに、お店にも悪い。今日は夕飯をここで済ませるしかなかった。
 遙は、茂が目の前にいてくれるだけで、しみじみ、幸せに感じていた。
 お腹が空いていることは確かなのだが、ちっとも食欲が沸かなかった。
 今夜こそ茂と結ばれたいとずっと願っている。
 その気持ちが重くのしかかり、気分が悪くなる程、胸がドキドキしていた。
 ホントは食事よりお酒が飲みたかった。
 そんなことはとうてい言えない。
「うん、小久保さんに任せる」と言うしかなかった。

 食事が済むと、出よう、と茂は先になりマロニエを出た。
「これからどうする?」
「この間のホテルへ行っていいよ」
 遙は、以外にすんなりと口に出すことが出来た。25へ

(上記小説は、カテゴリー短編小説〔喫茶店〕で連載中)

posted by hidamari at 22:40| Comment(0) | TrackBack(0) | 小説〔喫茶店〕 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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