2006年08月20日

小説・喫茶店

25
 遙はその夜、茂と結ばれた。
 自分が思い描いていたことが現実になった。それは、肩の荷を降ろしたようにほっとしたことだった。
 しかし、この空しさはなぜだろう。
 2人が結ばれるということは、こんなにたんたんとしたことなの?
 お互いに抑え切れない欲情が高まり、溶け合うように1つになることだとばかり思っていたのに。
 遙は何度も「私のこと愛している?」と聞いたような気がする。
 ところが、茂の口から「愛している」ということばを聞くことは、最後までなかったのだ。
 それなのに、遙はますます茂のことを好きになっていた。そんな自分がいじらしくて、涙が出るほど切ない。
 遙はその夜、そんなブルーな気持ちを打ち消すように、最後まで思いっきり明るくふるまっていた。
 今1つ茂の心を掴みかねていたが、遙は、これから徐々に2人の仲は本物になり将来は結婚出来ると信じていた。26へ

posted by hidamari at 22:16| Comment(0) | TrackBack(0) | 小説〔喫茶店〕 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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