2006年10月11日

小説・喫茶店

51
 通常みどりは、昼食を、お弁当屋さんが売りに来る幕の内弁当で済ませている。
 事務所の外へ出て昼食を取るのは、六島ではめったにないことである。
 出張先ではいざ知らず、職場の男性と2人きりで外で昼食を取るのは、みどりにとってやはり勇気がいることだった。
 職場から少し離れた所にある喫茶店だから、職場の人に会うことはまずないだろう、と思った。
 夫にも同僚にも、小久保と食事に行くとはなぜか言えなかった。
 それにしてもいったいどんな話しだろう。
 考えられることは、今付き合っている彼女との結婚話か、別れ話だろう。自分に対する恋の打明け話ではないことは確かなのに、やたらと胸がドキドキした。
 しかし、自分に関することではないと思えたから、茂の突然の誘いを受けたのだ。みどりは密かに自分に言い訳をしていた。
 みどりは、12時10分ちょうどにマロニエのドアを開けた。52へ

(上記小説は、カテゴリー短編小説〔喫茶店〕で連載中)
posted by hidamari at 14:49| Comment(1) | TrackBack(0) | 小説〔喫茶店〕 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
10月6日のコスモスの短文、素晴らしいです!
この連載も面白いですが、あのような短編やエッセイを
これからもぜひ、拝読させてください
Posted by マロニエのこみち・・・。 at 2006年10月12日 12:20
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