2008年01月10日

小説・優しい背中

41
 高速を走行すると、必然的に80キロ以上のスピードが出る。別に外の景色がいいわけではない。ただコンクリートの壁が続くだけなのだ。10分もしないうちに大宰府インターに近づいていた。
 「大宰府でUターンしよう」
 柴谷は高速を降りると
 「このまま、高速に乗って帰る?それともちょっと遊んで帰る?」と、言った。
 それは、つい思いつきで口走ったことだった。
 絵里子はそれを望んでいるのではないか。直感的にそう思ったのだ。
 新車のせいで、気分が高揚しているのか思わぬサービス精神が湧きあがったとしか言いようがなかった。
 「遊んでいいんですか?」
 「時間いい?」
 「ええー、夕方までに帰ればいいですから」
 「よし、なら行こう」
 「どこへ?」
 「うん…」
 柴谷は迷わず脇道にそれて、どんどん山道の方へと車を走らせた。
 しばらく行くとそこは一目見てそれと分かる、きらびやかなラブホテルがあった。
 絵里子は驚いている様子だったが、すぐに納得したのか、
 「昼間からですか?」と言った。
 「たまにはいいじゃないか」と、柴谷は澄ました顔で答えた。42へ

(上記は〈小説・優しい背中〉で連載中)

posted by hidamari at 21:41| Comment(0) | TrackBack(0) | 小説・優しい背中 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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