2008年05月01日

小説・測量士の恋

12
 1年後。
 美鈴は中学2年生になっていた。
 身体つきが一回り大きく成長しているので、1年前とはずいぶん感じが変わった感じである。身長が5cmは伸びているだろうか。きっと155cmくらいには達していると思われた。
 姉の小鈴は私立の女子高に進学していた。
 その小鈴が学校から帰ってくると、既に下校して居間でテレビを見ている美鈴に、曰くありげな顔で言った。
 「ねぇーミー、星野さん結婚したんだってよ」
 美鈴は家族の間ではミーと呼ばれている。
 「えっ!測量士のおにいさんが?」
 「そうよぉー、相手誰だと思う?」
 美鈴にとって光は、もう遠い存在の人で何の関係もない人だが、彼のことは鮮やかに覚えているし、思い浮かべるだけでなぜか幸せな気持になれた。
 それに、あの時撮ってもらった写真がとても気にいっていたので、勉強の合間に、机の引き出しから取り出しては、自分の写真をつくづくと眺めることもあった。
 写真は、あの日、帰ってすぐ家族に見せた。
 父親も母親もそのことについてはさして何も言わなかった。
 ただ、姉の小鈴だけは、「あの人、ミーのこと好きなんじゃない?でないとこんなにたくさん写真撮るはずないでしょ。私のもスー姉さんのもないんだもの」と、ちょっと不満そうだったのである。
 その小鈴がどこからか情報を掴んだらしく、いち早く美鈴に知らせたかったものと思われる。13へ

(上記は、カテゴリー児童短編小説・つぶらなひとみ〈測量士の恋〉で連載中)

posted by hidamari at 23:50| Comment(0) | TrackBack(0) | 短編小説・つぶらなひとみ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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