2008年05月04日

小説・測量士の恋

13
 「相手、誰なの?」
 誰だと思う?と聞かれると誰なのか知りたくなる。
 「ほら、バス停の先にあるコンビニ、あそこのレジにいた北田さんよ。彼女美人だものね」
 小鈴は、彼女美人だものね、というところを強調した。
 美人ということで、納得している風だった。
 「そういえば、レジに新しい人がいるから、北田さんどうしたのかなとは思っていた。結婚したんだ。へー星野さんと…」
 「星野さん、かっこよかったよね。ミーにも優しかったんでしょう?でも、北田さんと結婚するなんてね」
 「そうねえ、まさかこの町の人とこんなにすぐに結婚するなんて、思っていなかったよねぇ。だって星野さん宮崎の人なんだよ。ていうことは、ここで運命的な出会いをしたっていうこと?」
 「そうだよ、素晴らしいといえば素晴らしいけど、…ちょっとがっかりだよね。ミーは、そう思わない?」
 「うん、星野さんて遠い人と思っていたけど、北田さんをよく知っているから、えらい近場に降りてきた感じがする」
 「でも、住いは天神だって。星野さんの会社の社宅だって」
 「そうか、どっちにせよ、やっぱ遠い人なんだ。…こー姉ちゃん、詳しいんだね」
「うん、客のオバサンがレジの人に北田さんのことを根ほり葉ほり聞いていたのを、側で聞いただけなんだけどね」
 美鈴は、星野さんがあれからすぐ、北田さんと運命的な出会いをして、恋に落ちたんだと思った。
 その出会いが、美鈴たちが住むこの田舎町だったことが、不思議でちょっと嬉しくもあったのである。14へ

(上記は、カテゴリー児童短編小説・つぶらなひとみ〈測量士の恋〉で連載中)

posted by hidamari at 23:45| Comment(0) | TrackBack(0) | 短編小説・つぶらなひとみ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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