2008年05月11日

 新茶
 「あんた 覚えていない?
 母さんが お茶煎っていたこと」
 姉さんからの電話でした
 「うん 覚えてるよ
 大きな鉄鍋で 汗をふきふき
 何回も煎ってはムシロで揉んで
 いたよね」
 「そうか そんな鉄鍋ないしね」
 

 父が遺してくれた畑の周りのお茶の木に
 新芽がいっぱい出てきたのです
 今までは放っていたのですが
 今年初めてそれを摘んでみたのです
 摘んできたのはいいのですが
 煎り方が分かりません

 母が煎ってくれた新茶の香り
 香ばしいお茶の味は 初夏の味でした
 そうか 姉もあの初夏の味を 
 きっと覚えているのでしょう

 インターネットで調べると
 ホットプレートで代用出来ると
 分かりました
 姉さんは さっそく挑戦しました
 お茶煎りがこんなに大変だとは
 思わなかったそうです
 姉さんはつくづく母さんの苦労を
 思いました

 父さんも母さんも逝ってしまって
 ずいぶん経つのに
 お茶の葉は変わりなく 
 毎年芽生えてくるのです
 放っておくのは心が痛むと 姉さんは
 一念発起して 今年初めてお茶煎りを
 挑戦したのでした

  
 
 
posted by hidamari at 23:36| Comment(0) | TrackBack(0) | 詩歌 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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