2008年06月23日

小説・目障りな女

bP0
 「な、何でしょうか?」
 突然、不愉快そうな声に変わったのは、事態がただ事ではないことに気がついた証しだった。
 それでもまだ、半信半疑のような探るような声だった。
 「わたしが津山正也の妻だということ、ご存知ですよね」
 10歳年上の百合子に対して、奈緒は意識して、上から目線で毅然たる口調で話をした。
 下手にでたら、開き直られるかもしれない。やりあったら負けてしまう恐れも否めなかった。
 強気に出たのが功を奏したのか、百合子は完全に怯えている風だった。
 「ええー、上の原店ではご主人にはお世話になりました」
 「単刀直入に言いますけど、あなたが夫と不倫していたこと…、わたし知っているのですよ。夫が全て白状しました」
 「……」
 「あなた、わたしが知らないと思っていたのではないですか?」
 「……」
 「最近、わたし、貴方の態度を見ているとバカバカしくなって、……わたしだけ我慢しているのが」
 「はぁー」
 「あなたのご主人にもわたしの気持を分かってもらいたいと思ったの。それで……ご主人にお話ししようかと、……いいでしょうか?」bP1へ

(上記小説は、カテゴリー、短編小説・つぶらなひとみ[目障りな女]で連載中)

posted by hidamari at 23:33| Comment(0) | TrackBack(0) | 短編小説・つぶらなひとみ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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