2008年06月25日

小説・目障りな女

bP1
 奈緒が百合子の夫に電話をしようと考えたのは、何も今思いついたことではなかった。不倫が分かった時、すぐに考えたことだ。
 その時、夫の職場の住所録で、百合子の自宅電話番号も調べた。
 百合子の夫は警察官だった。それを知ったのは、奈緒が正也と、百合子の夫に電話するするなの言い争いの中で、正也がポロッと口にしたからだ。
 もし、百合子の夫が知ることになったら大騒ぎになるだろう。夫の正也が訴えられることもありうる。正也は年上の百合子が誘ったというが、それを、奈緒はもちろん信じてはいない。もし本当だったとしても、男と女の関係は、どっちが悪いということではないということくらい分かっていた。
 いろいろ考えると、百合子の夫には何も言えなかった。正直恐かったのである。彼が警察官という職業だったこともある。
 もちろん、今だって言うつもりはない。
 ただ、百合子をビビらせるのには、これが1番だと、はったりをかけただけだった。
 案の定百合子はビビッている様子だ。
「そ、それは困ります。終ってることですよ。絶対そんなことは止めて下さい」
 百合子は懇願するように絞ったような小さな声で言った。bP1へ

(上記小説は、カテゴリー、短編小説・つぶらなひとみ[目障りな女]で連載中)


posted by hidamari at 23:15| Comment(0) | TrackBack(0) | 短編小説・つぶらなひとみ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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