2008年07月25日

小説・間口

bR
 陸は39歳になっていた。男関係も、いろいろあったといえばそうでもあるし、何もなかったといえばそうでもある。とにかく、陸の気持は全く若い頃のままだった。自分がもうすぐ40歳になるなんて信じられないことだった。
 母親のサヨは64歳になっていた。
 陸の家は父親が40代の頃に購入したもので、家族4人住むのに一般的な広さの、2階建ての普通の家だった。しかし、陸と母親2人だけになった今、やはり少々広すぎるのかもしれない。
 2人が一緒に居間にいる時はいい。お互いに顔も見るし、会話もする。しかし、いったん陸が2階の自室へ入ってしまうと、サヨの状態は全く把握出来なくなる。まあ、これはどこの家庭も、夫々自室を持っている以上、免れないことなのだろう。
 その日、夜中の3時頃、陸は妙な胸騒ぎを覚えて目が覚めた。そして、階下のサヨの部屋へ導かれるように入っていったのである。
 考えてみれば、今までに、わざわざサヨの部屋を覗きにいくことなどなかったことであった。bSへ

(上記小説は、カテゴリー{短編小説・つぶらなひとみ}の中の、小説・間口で連載中)

posted by hidamari at 22:51| Comment(0) | TrackBack(0) | 短編小説・つぶらなひとみ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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