2008年09月05日

小説・間口

17
 大林勇三40歳、助教授、専門は数学、長身、唐沢寿明風のイケメンである。もちろん学生の間ではルックスだけで、十分人気があった。
 数学という教科は、1回生、2回生の選択科目なのだが、大林の授業といえどもそれほど人気があるもではなかった。それゆえ、受講する学生は常に少なかった。そのせいか、点数はあまく、出席日数が足りていてテストを受けさえすれば、殆んど全員、優の評価で単位が取得出来るという悪評もあった。
 その大林と陸の出会いは、大学全体の職員懇親会幹事としての会合だった。
 それまでは教員と学生課職員という仕事上だけの付き合いだった。しかしそれも、大林があまりにかっこ良すぎて、必要最小限のことを話すのが精一杯だった。
 もともと、教員と事務局は目に見えない壁があった。教員は事務方の一段上に位置しているという気持があるのか、事務職員に対しては、殆んど心を開く人はいなかった。
 事務的な話をするだけの関係だったのである。18へ

(上記小説は、カテゴリー{短編小説・つぶらなひとみ}の中の、小説・間口で連載中)

posted by hidamari at 23:43| Comment(0) | TrackBack(0) | 短編小説・つぶらなひとみ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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