2008年09月16日

小説・間口

21
 コンサートの後に、2人は海のほとりのレストランで遅いディナーを取った。
 大林が事前に予約を入れていたのだ。
 ワインを飲みながら、憧れの男性と2人きりで食事をするなど、陸には夢のような出来事だった。
 しかし、これは現実のことだった。
 しかも、これからも2人は、付き合っていくだろう。
 2人はそのことを確信することが出来た。
 ただ、これは結婚へと繋がる恋愛ではないことも、はっきりしていた。
 結婚を望みさえしなければ、こんなにステキな男性とも、恋愛は出来るのだということを、陸は身を持って感じ取ったのである。
 40歳を過ぎてしまった今、このまま結婚出来ないかもしれない。それならせめて悔いのない人生にしたい。誰にも迷惑をかけないようにすれば、不倫も有りと今では思っている。何せ、当の男性陣は陸に対して悪びれた様子はこれっぽっちも見せないのだから。
 陸はただ自分なりに不倫のルールを作った。
 秘密は絶対守る。
 家族の話題はしない。
 一方的に経済的負担をかけない。
 自分からは極力連絡しない。
 結婚は望んでいないことを、予めはっきり言っておく。
 これらのことさえ守れば、妻帯者との恋愛も可能なのだということは、本間との関係で立証済みだった。22へ

(上記小説は、カテゴリー{短編小説・つぶらなひとみ}の中の、小説・間口で連載中)

posted by hidamari at 22:59| Comment(0) | TrackBack(0) | 短編小説・つぶらなひとみ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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