2008年09月18日

小説・間口

22
 その夜は、大林は陸を、マンションの前まで、タクシーで送り届けた。
 その後2人は、映画と食事へ2度行った。
 結局大林が陸のマンションを訪れたのは、コンサートへ行ってから1ヵ月が過ぎた頃だった。
 その頃陸は、大林がセオリー通りの順番を踏むのが、じれったくてたまらなかった。
 3度目のデートの日、とうとう陸は意を決して言った。
 「今から家へ来ませんか。私の手料理、食べてください」
 大林は驚いた顔をしたが、
 「いいの?俺はいいけど」と、言った。
 それから後は、本間の時と同じようなことが繰り広げられた。
 知らないうちに本間と比べていた。
 外見や人間の価値は、2人はそれぞれ違いがある。それなのに、やることは似たり寄ったりだった。
 2人はどこかで同じことを習っているかのように、同じ行動パターンをする。それは、ほんとうに興ざめなことだった。
 男性って偉そうにしているけど、意外と単純な生きものなのだ、と思った。
 精神的には大林に惹かれながら、ベッドの中では本間と大差ないのが、何かひどくがっかりしたのである。23へ

(上記小説は、カテゴリー{短編小説・つぶらなひとみ}の中の、小説・間口で連載中)

posted by hidamari at 23:07| Comment(0) | TrackBack(0) | 短編小説・つぶらなひとみ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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