2008年10月04日

小説・間口

28
 かつて陸にも彼氏が独身だった時代があった。20代の頃である。その頃は休みとなると、彼氏同伴グループでよく遊んでいた。旅行もした。
30代になると、徐々にまわりが結婚しだし、どんどんグループを抜けていった。気がつくといつの間にかグループも自然消滅していた。
 それでも女性の友人には、出来ては消え出来ては消えしながらも、通常遊ぶ程度なら別段不自由はしていない。それに、連休などで、たとえ誰とも会わなくとも、イライラした覚えはない。
今までの話である。
 ところが、本間や大林と付き合いだしてからというもの、休みの日となると、陸は穏やかでいられないのである。
 長い連休ではないか、1日ぐらいは陸のために使って欲しいのだ。せめてどちらか1人でも。そんな願望がいつも胸の中にフツフツと渦巻いている。それなのに、彼らには何も言えないもどかしさがまた、陸を情緒不安定にさせるのであった。
 こんな状態になることは、分かりきったことだった。それは最初から分かっていることだった。それが分かっているだけに陸は、律しきれない自分がいやでたまらなかった。
 まさに、しおりにもただ八つ当たりしているようなものだった。29へ

(上記小説は、カテゴリー{短編小説・つぶらなひとみ}の中の、小説・間口で連載中)

posted by hidamari at 23:35| Comment(0) | TrackBack(0) | 短編小説・つぶらなひとみ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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