2008年10月17日

小説・父親の役目

bR
 秀男は酒が好きだった。秀男の人生は常に酒に左右されていると言っても過言ではない。
 その日、海外向けの大きな契約が成立したことで、社長以下上機嫌だった。
 秘書課にも慰労ムードが漂い、自然に飲み会へと発展していった。
 秀男は大勢で飲む酒より、気の合った仲間と行きつけの和風スナックで飲むのが好きだったが、仕事だと思って、会社の飲み会にも参加する。
 課員10人が夫々思いのままに、居酒屋のテーブルの席についた。秀男の横に座ったのが美代子だった。嫌な予感があった。横に素人の女性に座られるのは苦手なのだ。気が散ってゆっくり飲めない気がするからである。後で考えれば、その時も、美代子が進んで秀男の隣に陣取ったとしか思えない。
 秀男にどんどん酒を勧めた。美代子自身も相当飲んでいるようだった。いつの間にか意気投合して二次会へと流れていった。挙句の果て2人はホテルへと到達していったのである。その過程を秀男は全く覚えていない。気がついたのは朝だった。
 2人はとうとうその日は会社を休んでしまう。秀男は自暴自棄になったが、美代子はむしろ喜んでいる風だった。
 それでも不安そうに「これから私たちどうなるの」と、言った。
 こともあろうに美代子は社長秘書、間違いだったではすまされないだろう。捨てたりしたら何の仕返しがあるか分らない。左遷されるかもしれない。
 こうなったら、美代子と真面目に付き合うしかない、としか考えが浮かばなかった。bSへ

(上記小説は、カテゴリー{短編小説・つぶらなひとみ}の中の、小説・父親の役目で連載中)

posted by hidamari at 23:48| Comment(0) | TrackBack(0) | 短編小説・つぶらなひとみ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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