2008年10月22日

小説・父親の役目

bT
 美代子は献身的に秀男に尽くした。職場恋愛なので、周囲にはすぐにばれることになる。次の人事異動でどちらかが配置転換になるだろう、自分が変わるだろうと、秀男は思った。離れれば美代子と自然に遠のくことが出来る、それまでは流れに任せようとも思った。
 その後も、美代子とは、誘われるまま逢瀬を何回となく重ねた。
 翌年の4月、秀男は首尾よく販売企画課に異動が叶ったのである。ほっとした。これでしばらくは美代子から逃れられると思った。うまくいけば別れられるかもしれない、少なくとも結婚はまだ先のことに思えた。
 そんな時、美代子から重大発言を聞かされる。
 「あなた異動が叶って嬉しそうね」秀男の心の中を見抜いていたのだ。
 美代子もやはり愛されている充足感を味わえずにいたのかもしれなかった。少し申し訳なかった。
 「だって、やっぱまずいだろう。同じ課にいつまでも一緒じゃ」
 「うん、分かってる。私もそろそろ決着をつけようと思って…。実は私お腹にあなたの赤ちゃんがいるの」bUへ

(上記小説は、カテゴリー{短編小説・つぶらなひとみ}の中の、小説・父親の役目で連載中)

posted by hidamari at 23:41| Comment(0) | TrackBack(0) | 短編小説・つぶらなひとみ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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