2008年11月11日

小説・父親の役目

11
 その日、美代子がヒデの電話を受けたのは、夜の10時を回っていた。
 秀男は当然のように自宅へ帰っていなかった。何処で何をしているのか知る術もない美代子は、仕方なく1人で病院へかけつけた。
 勇作はくも膜下出血だった。幸いヒデの目の前で倒れたこともあって、処置が早く、一命はとりとめた。
 しかし、医者からは再起不能と告げられる。
 勇作はヒデと同い年だったが、高血圧の上、酒、煙草が好きだった。そんな不摂生が引き起こした結果だった。
 秀男が病院へ訪れたのは翌日になってからだった。
 ベッドに横たわる、変わり果てた勇作の姿を見て、秀男はさすがにうなだれていた。
 ヒデは、手術の立会いをしなかった秀男に力なく文句を言っていた。
 しかし、たとえ秀男が居たとしても、どうなるものでもなかった。
 問題はこれから先がたいへんなことだった。12へ

(上記小説は、カテゴリー{短編小説・つぶらなひとみ}の中の、小説・父親の役目で連載中)

posted by hidamari at 23:34| Comment(0) | TrackBack(0) | 短編小説・つぶらなひとみ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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