2008年12月05日

 電話
 外は冷たい雨と強風が吹き荒れています
 夕食後わたしは あいかわらず1人で
 テレビを見ていました
 その時突然固定電話が鳴り響きました
 
 たまになる電話の音には 
 いつもドキドキさせられます
 電話を取るのが好きではありません
 たいてい何かの押し売りか宣伝だからです
 いきなりテープの声だったりします
 相手の電話番号が分るディスプレイに
 したらいいと友人はいいます
 でも毎月の使用料がもったいないから
 付けようとは思いません

 おそるおそる受話器を取りました
 「もしもし」
 「あ、俺、俺、今パチンコ店にいるんだけど迎えに来て!」
 夫のノーテンキな声がいきなり耳を刺しました
 「あら、今日は残業のあと飲み会だって言ってなかった?」
 「違う違う、とにかく雨が降っているから、早く迎えにきて」
 ピーッ!
 電話は切れました
 パチンコの時は たいてい歩いて帰ってきます
 でも 今夜は雨が降っています
 それにきっと負けたのでしょう 
 タクシー代がないものと察しました

 仕方なしにわたしは車を走らせました
 風はピタッと止み 雨も霧雨に変わりました
 舗道は街頭に照らされて白く光っています
 歩道にはカラフルな落ち葉が敷き詰められて
 まるでおとぎの国のような美しさでした
 みるとあの紅葉で彩られていた街路樹は
 みごとに丸裸にされています
 これできっぱり秋が終ったのです
 何もかも厳しい冬が
 確実に街にもやってきています

 パチンコ店の前に着くと
 ぼーっと立っている夫が
 私の視界に飛び込んできました
 パチンコ店だけが
 やけに賑々しくライトアップしていました
  
posted by hidamari at 23:32| Comment(0) | TrackBack(0) | 詩歌 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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