2010年03月12日

テレビドラマを観て「不毛地帯」

  山崎豊子原作 フジテレビ開局50周年記念ドラマ

 鳴物入りで始まったのだが、視聴率は今一だったとか。
 1回から全て観たが、私としては、久々にはまったドラマだった。
 壹岐正役の唐沢寿明さんが、正義と悪、冷たさと温かさという2面性を持っているが、1本芯の通った毅然たる男の姿を、実にしみじみと演じていた。
 夫は、かつて山崎豊子の作品によく出ていた故田宮二郎にはまだ敵わないというが、私は唐沢さんの自然体の演技が、田宮さんの濃い演技より好きである。
 山崎豊子さんの本は、タイトルにどれも深い意味が隠されているように思う。
 今回の「不毛地帯」、いったい、何をもってそう言うのだろうか。
 11年間抑留生活の中で重労働を課せられた、厳寒の地シベリアのことなのか。
 総合商社の中で奮闘しながら渡り歩いた、魑魅魍魎な官界政界のことなのか。
 はたまた、最後の仕事と決めて非合法な手を使ってまでも走り続けた、砂漠の中の石油開発のことなのか。
 「不毛」の直接的な語意は、地味がやせていて作物も出来ず、草木も育たないこと。
だそうだ。
 転じて、成果が上がらなかったり実績がなかったりすること。
だそうだ。
 さて、いずれのことなのか、 悩ましいところである。

この物語は、周知のとおり、伊藤忠商事会長 瀬島龍三がモデルと言われている。
 瀬島龍三の人生で、ずっと底流していたものは、戦争体験ではなかったろうか。
 しかも参謀として戦争に関わってきたことに、深い悲しみと責任を感じていたに違いない。    
 後年、上司に対して非常の仕打ちをしているように思われるが、決してその恩を忘れていたわけではないだろう。
 彼があそこまで成功したのは、いつもバックアップしてくれた社長がいたからこそであった。 
 現代でも通じることだが、まわりに良き理解者がいないと、1人では何にも出来ないのではなかろうか。
 壹岐正にも、そのことは十分分かっていたはず。
 その道に成功するためには、人に信頼されること、好かれることが、1番大切なことかもしれない。
 テーマは大きかったが、結局は、人間性の問題に他ならなかった。

posted by hidamari at 22:56| Comment(0) | TrackBack(0) | 読後感・映画の感想 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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