2010年08月12日

夢小説・子取り鬼

bS
 「きっと学校の近所に飼い主がいるはずだ。校門の横に〈カメを預かっています〉という貼り紙を出そう。飼い主が見つかるまで、教室にある水槽に入れて、みんなでめんどうみよう」と、先生は言いました。
 そして笛をピーと吹きました。
 「集合!子取り鬼の続きをやるぞ!」
 「先生!授業が終わるまでここに放っていていいですか?」
 「それまでは、大丈夫だろう。置いときなさい」と先生は言いました。
 男の子は、そっと私を床の上に置きました。
 私は、一時も早くここを逃げ出さないと大変なことになる、と思いました。
 幸い窓からすんなり外に出ることができました。
 来る時はそろそろ歩いてきたのですが、帰りはほうほうの体でお家へ辿りつきました。
 そして、洗面所へ駆け込み、不安というより恐怖心いっぱいで鏡の前に立ちました。
 そこには、私の姿はなく、下の方に小さなカメの姿がありました。
 恐れていた通り、紛れもなく私はカメの姿になっていたのです。
 そんなことってあるのでしょうか。
 ワナワナと座りこんでしまいました。
 これから私はいったいどうなるのでしょうか。
 こんな時なのに、私は自分がとても疲れていることに気がつきました。
 何年かぶりに外に出たことや、走って家に帰ってきたことが、とても身体に堪えたのだと思います。
 とにかく眠たかったのです。
 ひとまず寝ようと思いました。
 2階の自分の部屋に戻ると、なぜか机の上に水槽がありました。
 その横にはもちろん私がいつも寝ているベッドもあります。
 私はカメの姿をしていますが、人間です。
 迷わず布団の中にもぐりこみました。
 そしてそのまま泥のように眠ってしまいました。bTへ

 (カテゴリー〈夢小説・子取り鬼〉に連載)

posted by hidamari at 20:55| Comment(0) | TrackBack(0) | 夢小説 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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