2010年09月28日

ミニミニ小説・牡丹

bP3
 パリ美術大学へは翌日から地下鉄で通った。
 講義がある間、殆ど城ノ内とアサミは一緒に出勤した。
 アサミの助手としての仕事は、日本のそれとあまり変わったものではなかった。
 資料をプリントしたり、プロジェクターを準備して スライドを映したり、書物を揃えたりした。
 講義は1日2コマ4時間程度だったが、その後のゼミでは録音を担当した。
 フランス語が分からないのは、やはり何かと不自由だったが、中には英語で話しかける学生もいた。
 城ノ内から指示される雑務は、事務室にいるエルザが何かと助けてくれたので、何も不都合はなかった。
 アサミは毎日が楽しかった。
 仕事が終わるのはだいたい午後4時前後だった。
 それからでも十分観光ができた。
 エルザが、アサミ1人でもじゅうぶん楽しめる観光スポットを教えてくれた。
 時間に制約がないセーヌ川界隈の散歩コースをよく歩いた。
 夕日に照らしだされる景色にただ感激した。
 10日間の間に2日休みがあった。
 1日目をアルベールとエルザが全てしきって、アサミのために観光地巡りをしてくれた。
 2日目は城ノ内が同行してくれた。
 アサミにとってこのパリ出張は夢の中の出来事だった。bP4へ
 (カテゴリー〈短編小説・つぶらなひとみ〉に連載)


posted by hidamari at 22:49| Comment(0) | TrackBack(0) | 短編小説・つぶらなひとみ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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