2010年10月27日

夢小説・猫学校

bR
 その小さな路地は、道路にある街灯からはちょうど死角に当たり、真っ暗だった。
 しかしいったんそこに入ると、ずっと奥の方に背の高い洋館建てのお家があるのが、くっきりと浮かんで見えた。
 なぜ見えたかというと、その家の外灯が明々と点いていたからだ。
 驚いたことに、その明りに誘われて、ソロリソロリと歩いて向かっていたのは私だけではなかった。
 気が付くと、どこから来たのか、この街にこれほどたくさん猫がいたのかと思うほど、たくさんの猫が、集まってきていた。
 私はあの家できっと何かがあるのだと思った。
 「いったい何事ですか?あそこで何かあるのですか?」と、私の横を歩いていたお兄さん風の猫に聞いてみた。
 「おや、君は新入りかい?行けば分かるよ」と言い残すと、私を追い抜いていった。
 行くしかないと思った私は、彼に追いついて後ろを付いていったのだ。
 その家は教会のように大きかったが、片ドアだけの小さな玄関は開け放たれていた。
 入ってびっくりした。
 3メートルほどの廊下を通り抜けると、ワンフロアが広がっていて、周りは教会のようなステンドグラスに囲まれていた。
 ここは教会なの?と一瞬思ったが、キリスト像もマリア像もなかった。
 ステンドグラスの壁際に長椅子が並んでいるだけだった。
 前の方が1段高くなっていて、そこに貫録のあるオス猫と、優しそうなお姉さん猫が鎮座していた。
 集まった猫たちは中央の板の間に次々と席を取っていった。
 私はさっきから後をつけていたお兄さんの横に座った。
 「ここはいったい何なのですか?今から何が始まるのですか?」と再び尋ねてみた。
 「ここは猫の夜間学校だよ」
 「えっ?学校?そんなものあるのですか?」
 「知らなかったの?」
 「わたしも入れる?」
 「勉強したい者は、誰でも入れるよ」
 私は、今まで1人ぼっちだったから、何も知らなかったのだと思った。
 こんなにきれいな所で勉強出来るなんて夢のようだった。
 あたりを見回すと、どの顔もイキイキしていて輝いていた。
 ワクワクする気持ちを抑えながら、私は今から何が始まるのか、興味津津だった。bSへ

(カテゴリー夢小説で連載)


posted by hidamari at 21:18| Comment(0) | TrackBack(0) | 夢小説 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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