2011年01月09日

映画の感想(容疑者Xの献身)

  2008年日本映画  原作 東野圭吾 監督 西谷 弘  主演 福山雅治 柴咲コウ 堤 真一 松雪泰子

 私は元来ミステリーというジャンルがあまり好きでない。
 なぜなら、殺人者がいて、それを暴くというのが基本なので、最後が必ず不幸になるから。
 私はハッピーエンドが好きだから、どんなに彼の本が評判になっても読む気がしない。
 ただ、「手紙」だけは日曜版新聞小説だったので読んだ。
 最初に殺人があって、既に刑務所で服しているところから始まるこの物語は、人間愛と社会生活をテーマにしたドラマだったので、ミステリーという感じがなく、当時、日曜がくるのを心待ちにして読んだものだ。
 今回の「容疑者Xの献身」は、最初に殺人が行われるが、その流れの詳細は最後まで明かされなかった。
 私が思ったのは、殺人を犯した松雪さんが扮する母娘は、なぜ自首する道を選ばなかったのか。
 そうしていれば、正当防衛が認められ、無罪になった可能性もあるのに…。
 これが小説と言われればそれまでだが、実際にはありえない設定なので、よくある2時間サスペンスドラマのような軽い感じがした。
 容疑者(石神)が、自分勝手な思いで、献身をたてに、自分の数学頭脳を駆使して描いた論理を展開していく。もしかしたら楽しんでいたのかもしれない。
 それに対抗して、真実を暴くのが、大学の同期で成功者である物理学者湯川である。
 成功者と脱落者の心理描写は頷ける。
 側からはそんなに悲観することではないと思えることが、死をも決するようになっていた容疑者は、最後に人を愛することを知る。
 そしてそれが、自分の命をかけることにまで発展するとは。
 ただ彼は、自分の献身が実を結ぶことだけを考えた。
 まことに身勝手である。
 献身を受けた人が、どれだけ負担になるかを考えることが出来ないのが、人間として未成熟で、単なる数学バカだった。
 というのが哀しい結末だった。
 結果、誰一人として、有利を得なかった。
 松雪さん、堤真一さんの演技が光っていた。
 石神役がもっと不細工な人ならもっとよかった。
 なぜなら、容姿を気にしていた設定だが、堤さんはどんなにしょぼくれていても、やっぱいい男だもの。

posted by hidamari at 16:33| Comment(0) | TrackBack(0) | 読後感・映画の感想 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:

認証コード: [必須入力]


※画像の中の文字を半角で入力してください。

この記事へのトラックバック