2011年02月10日

夢小説・再会

bQ
 緑子の家では犬を飼っている。
 種類はヨークシャテリアで、メス、名前はキナコという。
 キナコはまだ3歳なので元気いっぱいだ。散歩が大好きである。
 朝起きるとすぐ、キナコのトイレタイムを兼ねて散歩させるのが姉の碧で、夕方の散歩は妹の緑子の役目になっている。
 その日の朝、碧は散歩から帰るなり緑子に言った。
 「あなた知っているの?譲治君が帰っているのを」
 「えっ!知らない。譲治君と会ったの?」
 緑子はいっしゅんパニックになった。
 譲治のことを全く思い出さなかったとは言わないが、20年前に別れたきりで、その後会ったこともなければ、彼の噂を聞くこともなく過ごしてきた。緑子の心の中には、もう譲治の影はなかった。
 それなのに、譲治が帰っている、と聞いただけで、緑子の頭の中に、過去の記憶がフラッシュがたかれたように蘇ってきたのである。
 「ううん、直接会った訳ではないの。譲治君の家の前を通った時に見かけたのよ。遠目だったけど、確かにあれは譲治君だったわ」
 「ふうん、20年ぶりよね、何しに帰ってきたのかしら」
 「実家ですもん、用事があるんでしょうよ」
 「そうだけど、お祖母さんのお葬式にも帰ってこなかったよ」
 「なんでそれが緑子に分かるの? 帰ってきていたかもよ。 まあ、彼が帰ってきても、来なくても、私たちには関係ないか」
 その日の朝、碧が話してくれた情報は、緑子を1日落ち着かせなかった。bRへ
(カテゴリー夢小説で連載)

posted by hidamari at 21:08| Comment(0) | TrackBack(0) | 夢小説 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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