2011年06月21日

ミニミニ小説・牡丹 bR2

 新しい年になって再び大学の授業が始まった。
 高齢出産で気をつけることは多かったが、アサミは比較的元気だった。
 職場の好奇の目もひとまず落ち着いたというより、図々しさを決め込んだことで、返って面白くないのか、皆一応に口を閉ざしてアサミの周りに近づこうとしなかった。卑屈になっていた時は、つけ込まれて意地悪されたのだ。今は堂々とマタニティー服を着て、お昼休みには休憩室で昼寝をした。
 そんな生活だったが、順調に胎児は育っていた。
 そして4月、大学は1番忙しい時期に入った。
 正確には、3月からその忙しさは続いていた。
 新入生が入ってくる前に産休に入ることになっていた。
 アサミは指折り数えてその日を待っていた。
 そんなある日、ひどい疲労感を覚えたアサミは、勤務を終えて家に帰るなり、着替えもせずにベッドに横たわった。bR3へ

(カテゴリー〈短編小説・つぶらなひとみ〉に連載)

posted by hidamari at 23:33| Comment(0) | TrackBack(0) | 短編小説・つぶらなひとみ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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