2011年07月06日

映画の感想 (風の中の子供)

 1937年(昭和12年) 日本(松竹)映画
 原作 坪田譲治の児童小説
 監督 清水宏  主演 河村黎吉 吉川満子 葉山正雄 坂本武

 何しろ昭和12年の映画だからずいぶん古い。もちろんモノクロで、画面もはっきりしない上、音声も悪い。
 時代背景は戦前、お金持ちさんはまだ普通に馬を乗りこなしている。
 いわゆるその時代の日本の素朴な子供たちの話しである。
 小5の善太と小1の三平は、時には喧嘩もするが、ひじょうに仲の良い兄弟である。
 夏休みのある日、大好きな父親が私文書偽造という嫌疑をかけられ警察に連行されたまま帰ってこなかった。
 おまけに家財道具も差し押さえられる。
 生活に困った母親は、仕方なく三平を田舎の伯父さんに預ける。
 幸せだった生活が、突然家族離れ離れに。
 その間の三平と善太の生活が、涙ぐましくて微笑ましい。
 三平はあくまでもやんちゃで、周りをはらはらさせるが、一途に家族を慕ってのことである。
 善太は離れた弟を思いやっている。三平と遊んでいると想像して、1人かくれんぼをするが、感極まって号泣してしまう。私も胸がキュンとなって泣いてしまった。
 私にも2つ上の姉がいる。ずっと同じ部屋で生活していた。その姉が県外に就職して家を出ていった。1人部屋になって嬉しかったはずなのに、不思議なことに、寂しくて悲しくて、1週間くらいは夜な夜な泣いた。これが姉妹の絆だったのだろう。
 
 この映画は、当時の、元気な子供のドキュメンタリーみたいなものだと思った。出ている役者さんは誰1人として知らないほど古い映画だ。
 しかしこの子供の心情は、私にはよく分かる。夏休み、私も同じように、川へ行ったり、木登りをしたり、野を走りまわったりするのが日課だった。
 両親の庇護の下に、姉妹は深い絆で結ばれていた。
 その家族の結束が崩れることなど、あり得るはずがないと信じていた。
 この映画をみてつくづく思うことは、私も、子供の頃が人生で1番幸せだったような。
  
 清水宏監督は、子供が大好きだったらしい。
 その子供たちが、夏休み期間に突然訪れた不幸な事件を通して、それに立ち向かって健気に突き進むうちに、改めて家族の絆の大切さを知ることになる。
 子供たちのすばらしさ、家族愛のすばらしさを知らしめる映画だった。

 最後はハッピーエンド。
 「お父さん」「お父さん」と、意味もなく兄弟が連呼するシーンは、漫画チックな映像も楽しくて、心がほのぼのと温かくなり、心から家族っていいなあ、と思った次第である。

posted by hidamari at 21:22| Comment(0) | TrackBack(0) | 読後感・映画の感想 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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