2011年07月19日

ミニミニ小説・牡丹 bR6

 午後7時過ぎミナが大きな抱き枕を持ってやってきた。だんだん大きくなっていくアサミお腹を見て、仰向けに寝るのが苦しかったら枕に掴まったらいいし、足がむくまないように足をのせてもいいからと、わざわざ買ってきたのだと言った。
 ミナは毎日やってきたが、アサミの顔を見れば安心するのか、洗濯物を持ってすぐ帰っていった。
 ミナと入れ替わりに隣のベッドの若いママ美也子さんの旦那さんがやってきた。美也子さんは細面できれいな女性だった。お腹もまだ3ヵ月になったばかりなので、殆ど目立たなかった。旦那さんは背が高くスポーツマンタイプで、2人はお似合いだった。訪ねる度に、カーテンの中からひそひそ話しするのが聞こえてきた。それはアサミにとってはやはり羨ましいことだった。
 しかし、そのひそひそ話はかっこうの子守唄だった。アサミはいつの間にか深い眠りについた。
 何時間経ったのだろうか。病院はすっかり眠りの中だった。アサミは、フッと人の気配を感じ目が覚めた。もちろん美也子さんの旦那さんは帰っていて、彼女も深い眠りについていた。
 その暗闇の中を、まっすぐにアサミのベッドに近づいてきた男性がいた。bR7へ
(カテゴリー〈短編小説・つぶらなひとみ〉に連載)

posted by hidamari at 21:56| Comment(0) | TrackBack(0) | 短編小説・つぶらなひとみ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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