2011年08月19日

終戦記念特別番組 最後の絆沖縄―引き裂かれた兄弟

フジテレビ土曜プレミアム 2011年8月13日放送
出演 要潤 佐藤健 大杉漣 手塚理美  企画 成田一樹

 戦争もの3本目、極めつけだった。最初から最後まで涙が乾くことはなかった。
 何しろこのドラマは、沖縄で仲睦まじく育った兄弟が、戦争という巨大な渦の中に撒きこまれ、沖縄戦で敵味方に分かれて戦うことになりながらも、深い絆によって生かされ、今、お2人が実在し、りっぱな人生を送っておられることに感動したプロデューサーの成田氏が、企画したものだというのだ、おもしろくないはずはない。

 いわゆる、戦争もののドキュメンタリーである。実在の人の話しや写真がふんだんに出てくる。ドラマの内容は考えられないほど悲惨なのに、それをくぐりぬけて現に生き語りをしているお2人の姿を見ると、本当のことなのだと、改めて感動してしまうのである。
 まず驚いたのは、女学生の「ひめゆり学徒隊」のことはよく知られているが、同じ沖縄で男子中学生1400人余りが入隊したと言われる「鉄血勤皇隊」が結成されていたことだ。私は初めて知ったことだった。
 しかも半数以上が戦死したという。写真を見ればまだあどけなさが残る少年たち、何のための戦争かも、何のために殺し合いをしなければならないかも、分かっていなかったはず。ただ学校で先生から日本男子なら戦うべしといって、志願させられただけなのだ。
 銃弾戦の中、たくさんの少年たちが、お父さんお母さん、と叫びながら死んでいった。
 持ったこともない銃弾の弾をひく恐さに震えながら、敵に撃たれて死んでいった。
 アメリカ兵だって、個人個人が憎い訳ではない。ただ相手を殺さなければ自分たちがやられるから、やるだけなのだ。
 どうしてこんなに、むごいことをしなければならなかったのか。
 この鉄血勤皇隊の一員だった、弟、東江康治は瀕死の状態で、アメリカに移住しアメリカ兵となった兄、盛勇に助けられる。
 盛勇は、やむなく、アメリカ兵になっているものの、家族の絆を失っていなかった。
 それは両親が、常に、命の大切さと、家族の絆の大切さを、愛情を持って導いていたからに相違ない。
 それはこの兄弟の上では、戦後もずっと続いた。
 盛勇はアメリカで庭師として成功し、日本からの留学生を支援する。
 康冶は大学へ進み、アメリカへも留学し、後年は琉球大学の学長を経て、名桜大学を創設する。
 沖縄本土戦を相対峙して戦った兄弟が、高齢でありながら今もアメリカと沖縄で夫々、お元気でいるという事実。
 小説のような戦争秘話ではあったが、これは実話なのだ。でも私には奇跡としか思えない。
 この話を知って、このドキュメンタリードラマを企画した成田氏にあっぱれ。
 この戦争のむごい現実を後世に伝えなければならない。
 今夜期せずして、99歳になられる進藤兼人映画監督が、自らの戦争体験を初めて映画化(1枚のはがき)されたというので、テレビのキンスマに出ておられた。
 戦争体験者は、あまり戦争のことを話したがらない。しかし体験者はだんだん居なくなってしまう。辛いだろうが、ぜひ、遺言として、遺してもらいたい。2度とバカなことをしないためにも。
 

posted by hidamari at 23:45| Comment(0) | TrackBack(0) | 読後感・映画の感想 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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