2011年08月21日

ドキュメンタリードラマ  青い目の少年兵―知られざる日中戦争の物語

NHKBSプレミアム 2011年8月13日放送 
演出 久保田直 主演 阿部力

 タイトルを見た時、青い目とあるので、てっきりアメリカ人との物語だと思っていた。でもドラマが始まってそれが中国人だとすぐ分かった。
 で、なんで青い目なのか分からなかった。澄んだきれいな目だったからそういったのかなあとも思った。
 それは最後の最後にやっと判明する。
 その中国人少年ロブシンは、日本人の藤井大典さんが率いる10人の兵士と行動を共にして、片眼を失くしていた。
 日本が戦争に負けて、5人になってしまった藤井さんたちが、タイのバンコクで帰還を待っていた時のこと、ロブシンが、日本兵の彼らを見送りに、尋ね当ててはるばる来てくれたのである。
 彼らは感動した。その時ロブシンに買ってやったのが、青い目の義眼だったのである。

 このドラマは、戦争の過酷さ悲惨さ空しさを語っていることはさることながら、敵味方を超えた人間性を問うものだったのである。
 ロブシンは敵少年兵でありながら、助けてもらった恩義を忘れずに、日本兵への忠義を尽くす。藤井さんたち日本兵もそれに応えて、弟のように彼を扱う。そこには戦争など無意味だった。
 これは藤井さんの告白によって作られたドキュメンタリードラマである。
 藤井さんが実際テレビの中で涙ながらに語っておられるので、本当のことと思われる。出来れば、ロブシンのその後も知りたい。無事にしていたのか、はたまた今でも元気にしているのか。当時の彼の思いを、じかに聞いてみたいものだ。
 ドラマを見る限り、日本兵と行動を共にしていることが、彼の生きがいのようにも見えた。ほんとうのところはどうだったのだろう。出来れば藤井さんたちと、もっと前に再会してもらいたかった。もちろん、出来れば今からでも探し出して欲しいのだが。

 この一連の戦争もののドキュメンタリーを見て思ったことがある。
 ほんとうに奇跡のように生き残った下級兵士の皆さん方が、今は80歳90歳を超えておられる。その方々が、今なおかくしゃくとしておられるということ。
 そして一応に戦争の空しさ悲惨さを思っておられる。後世に伝えなければならないのに、誰にも話したくない、忘れてしまいたい、でも忘れることが出来ない、この悩ましい思い。
 改めて、死ぬも地獄、生きるも地獄の人生だったのだなあと思った。

posted by hidamari at 23:28| Comment(0) | TrackBack(0) | 読後感・映画の感想 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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