2011年09月01日

映画「乱」

 1985年 日本・仏合作  監督 黒澤 明
 主演 仲代達矢 原田美枝子 ピーター

 当時かなり話題になった黒澤映画である。アカデミー衣裳デザイン賞を和田エミさんが受賞されたことでも有名になった。
 今回、私が観た感想は、今まで観た黒澤映画とは少し毛色が違っていて、心に響くというより、目に刺激的だったということだ。
 大掛かりなロケ、衣裳の艶やかさ、何かお芝居を見るような、絵巻物を見るような感じだった。
 ちなみに日仏合作というのは、24億円の製作費用においてのみだということ。
 主人公の仲代達矢さんは、人間の条件の重厚な演技とは違って、とても派手でコケティシュな演技だった。常に目の前の観客を意識しているような大げさな演技に、これはまさしく舞台のお芝居だと思ったことだった。
 ストーリーは「リア王」を素に戦国武将一文字秀虎という男の晩年の生き様を描いたものだった。
 この映画は黒澤さんの75歳の時の作品である。彼はこの映画をライフワークにし、さらに後世への遺言と位置づけたほど、力を注いだということ。
 舞台は戦国時代だが、内容は普遍的な親子の愛憎、兄弟の確執、老人問題、男女間におけるトラブル、女の本性と全てヒューマンなものだった。その上になおかつ戦争の愚かさ、空しさを伝えたかったのだろう。
 1番印象に残ったのは、原田美枝子さんの、夫とその弟を操る魔性の女の役どころだった。それにぴったりの彼女の演技が素晴らしかった。本当に凄みがあり、美しさと醜さを見事に演じていた。
 今日本の女優さんの中では、5本の指に入る名優であることは間違いない。
 また、ピーターさんも、ストーリーに左右される役ではなかったが、一服の清涼剤として存在感を発揮していたのでは。

 思ったことは、この映画、とても分かりにくい、ということである。
 ただ、これは私だけかもしれない。なぜなら、私は耳がだいぶん遠くなっているので、セリフがよく聞き取れないのだ。そのため1回観ただけでは理解出来ず、繰り返し2回観た次第である。

posted by hidamari at 22:29| Comment(0) | TrackBack(0) | 読後感・映画の感想 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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