2011年11月03日

映画「天空の草原のナンサ」

2005年 ドイツ製作 
監督 ビャンバスレーン・ダヴァー(モンゴル・ウランバートル出身) 
出演 ナンサル・バットチュルーン 他バットチュルーン一家

 本物のモンゴル遊牧民一家の暮らしを綴ったドキュメントドラマ。
 モンゴル草原で羊の遊牧をして生計を立てる一家に、カメラがずっと廻っていたのだろうか?
 演技しているのではないことは明らか、3人の姉弟は天真爛漫そのものである。
 子供は何処の国でも、どんな環境でも、愛される者として存在するのだなあ、とつくづく思った。
 モンゴルの草原の中で家族だけのゲル暮らし、最初は、寂しくはないのか、不自由ではないのか、と幾分同情の目で見ていた。
 しかし、逞しくて、頼りになる父親、優しくて働き者の母親、活発で妹や弟のめんどうをよくみる主人公ナンサ、そのかわいい妹と弟、家族の絆の深さに感動してしまう。
 人間は本来、こういう生活をするのが1番幸せなのではないか。
 父親と母親は、子供たちに生活の術をきびしく教えるが、たとえ出来なくても決して叱らない。
 子供たちは、親のいうこと姉のいうことは、いつ何時でも従う。
 驚いたのは6歳のナンサは、馬を自由自在に乗りこなし、羊の番をする逞しさである。
 草原では自然と動物との関わり合いなしでは生きていけない。
 ナンサはかわいい捨て犬を飼いたいが、父親が許してくれない。
 そんな夏の終わりに、この地を離れることになった。
 家族で手際よくゲルを解体していく様子が、とても見応えがあった。
 人間、生活力さえあれば、これだけの少ない物で暮らしていけるのだとも思った。
 風力で発電さえしていたもの。
 それでも、羊たちを引き連れて、馬車で運ぶとなれば、たいへんなことに違いなかった。
 ナンサは父親の言いつけで、犬を置いてきたのが気になって仕方ない。母親から弟をみるように言われていたのに、犬の側に行ってしまい、その間に弟が、馬車から降りてしまっていた。
 しばらく進んだ所で、弟がいないことに気がついた母親。父親が探しに戻る。そこでハゲワシの襲撃から守ってくれた犬の元にいた息子を見つけた父親、思わず息子を懐にしまう。
 そんなことで、めでたく犬も一緒に移住することになって大喜びのナンサ。
 この幸せが永久に続けばいいと願わずにはいられないが、そこに通りかかった選挙カー。
 拡声器で「明日の幸せのために、清き1票をぜひこの私に…」と呼びかける様子は、日本となんら変わりない。
 草原にはアンバランスな感じだが、もはや遊牧民の方が時代遅れなのかもしれない。
 私は、絶対、遊牧民でいる方が幸せだと思うのだが…。
 とにかく、心が洗われ、うっとりするほど大好きな映画だった。

posted by hidamari at 22:41| Comment(0) | TrackBack(0) | 読後感・映画の感想 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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