2012年07月18日

ドラマ “はつ恋”

NHKドラマ全8回 
演出 井上剛  脚本 中園ミホ
キャスト 木村佳乃 伊原剛志 青木宗高

 「はつ恋」というタイトルとキャストにひかれて観る気になったが、まず1回だけ観て、おもしろくなかったら見るのを止めようと思った。
 私が思い描いていたものとは趣が違ったが、結果的にはストーリーにはまってしまった。いわゆるドロドロした愛憎劇の昼ドラにはまった感覚と似ていた。そして、私はこの手のドラマがけっこう好きなのだ。と言う訳で、1回から8回まで全部観た。
 淡くてはかない初恋シーンは、節目毎に出てくる回想の中だけだった。しかもキャストが本人たちと全く似ていない男女で、どうしてもそこには感情移入が出来なかった。
 さて、はつ恋というタイトル…合わないと思った。
 全編を通して思ったのは、主人公緑と外科医師三島の恋愛をいかに美化しようとも、たんなる不倫でしかないということだった。あえてはつ恋をつけるなら「はつ恋炎上」みたいなタイトルの方が的を得ているのではないかと思った次第である。
 緑は初めての恋で、しかも高校生の分際で、三島の子供を宿してしまう。これはけっこう不良女学生ではないの?淡く初々しい初恋なんてものではないような…。
 そんな2人は、三島からの一方的な別離宣言で別れ別れに。緑は当然2人の間の赤ちゃんを産んでいない。そんな2人が執刀医とその患者として再会したら…、しかもその医師が命の恩人となったら…。
 現在は、年下の心優しい夫と愛息がいる人妻緑。
 彼女は私には考えられない選択をした。家族を捨て、三島を選んだのだ。とはいえ、彼女は相当悩んでいた。本当は両方とも好きだったような。でもそれでは、両方を傷つける、自分に対しても許し難いことだったのだろう。
 そこで普通の母親なら、自分の分身である子供を、どうしても捨てることが出来ない。将来のことを考えてしまうのだ。子供の信頼を裏切ることは出来ないのだ。
 心優しい緑は、人一倍真面目で純粋な母親だったのに、普通の母親と少し違っていたのは、本来が少々恋愛体質だったことではないだろうか。
 彼女は5年後、肝臓がんが再発して死亡する。
 亡くなる間際に自宅へ戻り、家族に看取られる。
 彼女が死んだことで初めてタイトルの「はつ恋」が生きてくるのではなかろうか。
 彼女は初恋を優先させたことにより、死という報いを受けたような気がしてならない。
 彼女こそ、真の純愛主義者、恋愛至上主義者だった。
 それにしても、年下のイケメン夫さんが気の毒だった。
 彼がもっと柔軟で、妻が浮気をするなら自分も、というような男性だったら、緑を追い出すようなことはしなかっただろうし、緑も、もっと気楽に生きていけたろうにと、思ったことだった。
 木村佳乃さん、伊原剛志さん、今が旬の青木宗高さんの演技が、夫々に良かったことが、このドラマをクオリティーの高いものにした、と思ったことだった。


posted by hidamari at 23:48| Comment(0) | TrackBack(0) | 読後感・映画の感想 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:

認証コード: [必須入力]


※画像の中の文字を半角で入力してください。

この記事へのトラックバック