2015年04月15日

映画“はじまりの道”

 2013年  日本映画(松竹)
 監督 原 恵一
 出演者 加瀬 亮  田中裕子  ユースケ・サンタマリア  濱田 岳

 この映画は、木下恵介監督の生誕100年を記念して作られたもので、戦時中における木下家の生き様と、家族愛の物語だった。
 木下恵介は子供の頃からの夢だった映画監督になることが出来、映画を撮ることも出来た。
 しかし、その時世が、自分の信じる映画を撮ることが許されないと分かった時、彼は辞表を提出した。そして郷里の浜松市に戻る。
 そこには、病に伏している慈母がいた。
 その慈母をリヤカーに乗せ、兄弟と便利屋人で、疎開させる1泊2日の道のり。
 いかに戦時中とはいえ、真夏の炎天下だったり、にわか雨だったり、坂道だったり、食べるものがなかったり、それは過酷なものだった。
 リヤカーを曳く方もたいへんだが、乗っている母親も辛いものだった。
 それなのに、この母親、兄弟は何一つ愚痴を言わず、ただお互いを思いやった。その姿をずっと側で見ていた便利屋は、その親想いに心を打たれる。
 そして、これはきっと、親が崇高だからだと認識する。
 そういう親に育てられれば、自ずと子供も崇高な心が培われるのだと、便利屋は確信した。
 私もそう実感した。
 幸いにも、私も人の親になることができている。
 でも、とうてい、この木下恵介の両親には及ばない。
 で、きっと子供らに孝行はしてもらえないだろう。
 この映画を見て、原恵一監督の思いを感じる。
 彼はきっと、木下監督を心から崇拝しておられるのだ。
 この映画も、木下映画によく似ていた。
 優しさと、穏やかさが、しみじみと心に沁み入った次第である。
 ちなみに、木下映画で私が好きな作品は、「24の瞳」「野菊の如き君なりき」「楢山節考」である。彼の人格が象徴されているステキな映画だった。
posted by hidamari at 23:20| Comment(0) | TrackBack(0) | 読後感・映画の感想 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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