2015年10月30日

読後感“日々の光”

 2015 ジェイ・ルービン著  柴田元幸 平塚隼介訳
 
 ジェイ・ルービン氏は1941年生まれ 現在74歳 アメリカの日本文学研究者である。日本へは度々訪れて講演活動などもしておられるとか。
 メディアでも取り上げられていたのか、定かではないが、私がこの本を知ったのは、やはりテレビか新聞ではなかったか。
 図書館へ貸し出し申込みをしたら順番待ちだった。新刊だったせいもあろうが、人気があるんだ、と思った。
 物語は、日系米国人の強制収容を元に、主人公ビリーの人生と思いを描いたもの。
 ビリーは生粋のアメリカ人であるが、母親は父の再婚相手で日本人(光子)。
 彼は、光子になついていて、戦時中、なぜか母親と一緒に、いっときミネドカ強制収容所で過ごす。その後時代の波に流され、親子は離ればなれになるが、ビリーは追憶の母を探し続け、ついには日本へ留学した。そこで、運命の糸は繋がれ、光子の実子である美しい娘と出会い恋をする。しかもその娘の父親は、アメリカで親しくしている日系米国人男性ときている。あまりにもこれは出来過ぎと思うが、さらには、原爆で亡くなっていると思っていた光子も生きていたり。複雑ではあるが家族4人が感動の再会を果たしてハッピーエンド。ほんとうに救われる思いの結末で、とても読み応えがあったのである。おもしろかった。
 ビリーは著者自身なのかなあ、と思ったが、著者がその理不尽で劣悪な収容所の存在を知ったのは、大学へ入ってからだという。(だから全くのフィクション)
 その後著者は、ますます日本に関心を持ち、日系人の社会学者ゴートン・ヒラバヤシ氏との出会い等から、この小説が出来上がったという。
 彼は日米を同じ目線で捉えて、悪いものは悪い、良いものは良い、としている。
 私が何より彼の思いに真実味を感じるには、奥様が日本人であること。
 真の親日家であることは間違いないかも。
posted by hidamari at 14:35| Comment(0) | TrackBack(0) | 読後感・映画の感想 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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