2017年04月23日

読後感 “劇場”

 又吉直樹作  2017 新潮 4月号

 又吉さんの2作目の作品、いったい彼は本物なのか、見極めるためにもぜひ読みたかった。
 図書館に貸し出しを申し込んでいたら、順番が回ってきた。
 今回の作品は、恋愛小説というふれ込みだったので、よりいっそう楽しみだった。
 そこで、読後の感想だが、彼は完全に彼独特の作風を樹立した本物の作家さんに間違いないと思ったことだった。
 ただ、恋愛小説とは思えなかったけど。
 現代のあるマニアックな世界の若者たちの生活、そこにはもちろん男女の交遊もあり、売れない劇作家としての活動もある。
 日常生活の何気ない人とのコミュニケーションを羅列したに過ぎないものなのに、主人公の心の闇や、いい加減さや、それでいて真面目さが、読み手に深く入り込んでくる。
 それは、心の描写の表現力が優れているからだろう。
 大阪弁でトツトツとしゃべるように書かれている文章を読むと、どうしても後ろに又吉さんが透けて見えるのは、私だけ。
 しかも1人称の文章なので、私小説ではないかと思ってしまう。
 私はこの作品を読んで、ふと石原慎太郎著「太陽の季節」を思い出した。
 それは裕福な世界の若者たちの生き様を描いたものだった。
 又吉さんの「劇場」は貧乏な若者たちの世界。
 両方ともマニアックな世界で、両方とも地に足が着いていない若者たちの話で、世代や時代背景は違うが、何か似ていると思ったことだった。
 「劇場」に、ストーリーはあってないようなものだが、クライマックスは最終章だろう。
 主人公永田は彼女との別れは必至のものと捉えながら、彼女には、2人が一緒に幸せになる未来の夢を語る。
 彼女も、ありえないことと思いつつ、一緒に夢を見るふりをする。
 これがハッピーエンドか否か?
 現実は、確かに又吉さんは、夢が叶い大出世しておられる。
 さて、こんな存在の彼女さんがおられたのか?
 でも、もう結婚しておられるだろうなあ。
 
※今日夫は元職ウォーキングクラブ例会に参加
◎コース 小長井町小川原浦地区散策
◎歩数――9,680歩  ◎距離――約7q  ◎時間――約2時間  ◎参加者――27名
posted by hidamari at 21:32| Comment(0) | TrackBack(0) | 読後感・映画の感想 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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