2018年11月01日

読後感 “ゴンちゃんまたね”

 2018年 株式会社文藝春秋  ビートたけし著

 たけしさんの映画ファンなので、新聞広告でこの本を紹介された時、読みたいと思い、すぐ図書館に予約した。
 過去、たけしさんのギャグ的な本は読んだことがあるが、さしておもしろいとは思わなかった。
 今回小説というので、格調高い映画を思い浮かべて、とても期待した。
 で、手にしたこの本、薄くて、文字も大きく、思っていたのとはちょっと違ったかな。
 さっそく読み始めた。 純朴な癒される挿絵が頻繁にあって、童話のような感覚だった。
 前半、ストーリー性は全くなく、芸能界の打ち明け話などで、これが小説?とがっかりする。
 でも、途中から愛犬ゴンちゃんが出てきたことによって、みごとに期待外れ感を覆した。
 突然、ストーリー性が出てきたのだ。
 主人公則之と愛犬ゴンちゃん、それに妻を亡くした孤独な老人3者の、ほのぼのとした心温まる物語だった。
 則之はとりもなおさずたけしさんそのものだろう。
 繊細で、人の気持ち、犬の気持ちまでわかる、心優しい男性なのだ。
 あんなに探し続けた愛犬ゴンちゃんを見つけた時、普通なら大喜びで抱きかかえ、自分が飼い主だと名乗るだろう。
 でも、彼はそれをしない。
 老人の気持ちを思いやり、ゴンちゃんの幸せそうな姿を見て、自分は一歩下がって見守ることに徹する。
 これって誰でも出来ることではない。
 極めつけは、老人から「私が亡き後は、ゴンちゃん(太郎)を引き取ってください」と、頼まれるが、そんな先のことを考えないようにする。
 なぜなら、それは老人の死を考えることになるから。
 則之は、今が1番幸せと考える。
 ゴンちゃんがいて、老人がいて、毎日会いに行ける喜びがある。
 今日も「ゴンちゃんまたね」と言って帰りしな、仕事(小説家)頑張ろう、と思う則之。
 たけしさんに重なります。
 挿絵もたけしさん。
 ほんとうに優しさいっぱいのステキな絵です。
posted by hidamari at 21:01| Comment(0) | 読後感・映画の感想 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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