2019年04月11日

読後感 “すぐ死ぬんだから”

 内館牧子著  2018年発行  講談社

 この本を読んでみたいと思ったのは、衝撃的なタイトルだった。
 私にとって正にタイムリー、日々そういう気持ちで生きているから。
 著者が内館さん、彼女の作品はドラマでは「ひらり」「毛利元就」「終わった人」を観ているが、考えてみると小説読んだ記憶ないなあ。
 この本がベストセラーになった時、すぐに図書館に予約したが、人気があるらしく、先々週やっと順番が回ってきた次第である。
 
 さて、感想だが、非常におもしろかった。
 1・2章では、私が想定した通り、78歳の女性がアンチエイジングを試みる外見に関するストーリーだった。
 さらに、2歳上の夫との良好な夫婦生活、子、孫にも恵まれた日常の喜怒哀楽のベタな生活、笑うところも多く、これコミック?とも思った。
 ところが4章に入り、夫の死後、遺言があったことから、ストーリーが思わぬ方向に変わって俄かに緊張感が出てくる。
 信頼していた夫に愛人がいて、そこにも家族が存在していたことが暴かれる。
 しかもそれは夫が死ぬまで、40年間続いていたとは。
 まさに青天の霹靂であったろう。
 夫に死なれた時のショックより、この方がショックは大きかったに違いない。
 彼女は、それまで早く夫の元に行きたいと思っていた。でも、裏切られていたことが分かった時点で、夫への想いは憎しみに変わり、夫との全てのものを捨ててしまう。
 最終的には死後離婚まで果たす。
 私はこの夫の仕打ちに、彼女以上に腹がたった。
 本妻に本当の愛情があったら、遺言を残すべきではない。
 実は、愛人の家族への愛がほんもので、本妻との家族生活が架空ではなかったのか。
 私的に1番ショックだったのは、愛人が夫の死を知ったいきさつだった。
 それは、その日映画を観る約束をしていて、彼が現れなかったので、息子を自宅へ赴かせて、彼の急死を知ったことだった。
 本妻とは、映画なんか1度も観に行ったことがなかった事実。

 いろんなことがあり過ぎて、落ち込んでいた主人公ハナだったが、暖かい家族に励まされ応援されて、徐々に立ち直っていく。
 生きてるだけで丸もうけ! いわゆるハッピーエンドかな。
 よかった!よかった!
posted by hidamari at 15:59| Comment(0) | 読後感・映画の感想 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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