2019年07月22日

映画 “万引き家族”

 2018年 日本映画  第71回カンヌ国際映画祭パルチドール(最高賞)受賞
 監督 是枝裕和  
 キャスト  リリーフランキー  安藤サクラ  樹木希林  柄本明

 昨年公開されて、いろいろな賞を受けたり、是枝監督が文部科学省の面談を拒否されたりして話題になっていたので、とても興味があった。
 それがこんなに早く地上波放送で見られるなんて・・・。
 さっそく録画して、昨日ゆっくり観た次第である。
 映画には、単なる娯楽映画と、現代社会を切り取って、監督の感性で観客に問題を提供する社会派ドラマの、2つの種類がある。
 この映画はその社会派ドラマである。
 ずっと以前に実際にあった事件を元に監督が構想されたもの。
 親の死亡届けを出さぬまま、年金の受給を受け続けた家族に焦点を当て、その背景にあるものを探りながら練り上げていかれたと聞く。
 常識では考えられない疑似家族、その成り立ちは今正に問題になっている児童虐待、とか、独居老人とか、少女の性の切り売りとか、貧困夫 婦の劣悪な職場環境とか、たくさんの現代社会の闇がちりばめられている。
 6人の家族が貧困にめげず、健気に生きて行く術は、社会では受け入れない犯罪行為ばかり。
 大人たちはそれをものともせず、家族は一致団結し、子供たちには万引きさえ、それが正義だと教える。
 しかし、それがいつまでも続くはずはない。
 監督は、彼らの日常の明るい前向きな生活を、たんたんと描写しつつも、最後の着地点はちゃんと現実を見据えていた。
 家族は空中分解し、崩壊した。
 なるべくしてなった結末だった。
 大人たちは全て納得して受け入れていく。
 気になったのは、幼い女の子りんちゃんの今後である。
 是枝監督も、何の罪もない子供たちには、打つ手はなく傍観するしかなかったのか。
 実際は、この子供たちにこそ、目を向け、対策をとらないと、日本の未来は危ういのではないかと思ったことだった。
 感想は、コミカルな流れのドラマだったのに、見終わって、ずしりと重いものを持たされ、暗い気持ちになったということだった。
posted by hidamari at 22:48| Comment(0) | 読後感・映画の感想 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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